地方起業はデメリットを理解しておく事が大切
一般的に地方での起業はメリットが豊富と言われています。
実際に政府が発表する「中小企業白書」において、開業率がトップの地域は「沖縄県」とされており、ついで埼玉県、千葉県、神奈川県、福岡県と続いていることから、地方での起業は決して需要が低いとは言えません。
しかし、メリットがあればデメリットがあるのが世の常です。
地方においての起業にも同様の法則は成り立ち、不利な条件をしっかり理解しておく事が成功への第一歩となるのです。
起業を目指す上で考慮すべきデメリットは以下のような事例が考えられます。
通信環境が整えられていない地域もある
起業する地域によっては通信環境を整えることすら困難な地域もあります。
AIやIoTの技術は地方での需要も高いですが、情報通信業で地方に起業したいと考えた時、通信面のインフラが整備されているか事前に確認することは重要になってくるでしょう。
即戦力の確保は難しい
地方での起業が推奨される理由として「少子高齢化に伴う人口減少対策の1手となる」ということを期待されています。
このことから分かる通り、地方は若い人材が不足していることが一番の問題です。
特に新しい技術を扱う業界だと、ベテラン世代の参入はおろか、若年層でも技術力が備わっておらず即戦力を募るにはいささか厳しい環境が広がるでしょう。
起業には参入障壁が高い時もある
地方はそもそも市場規模が小さい影響で地元企業が苦戦を強いられていたという可能性もあります。
大手すら参入をためらう市場規模を拡大し、販路を切り開くのは並大抵のことではありません。
しっかりとその地域の特性や流通経路を見極めた進出が必要となるでしょう。
セミナーやイベントが流動的ではない
技術者やクリエイターにとって、セミナーやイベントといった社外でのコミュニケーションが可能となる交流会は非常に重要な役割を果たすことになります。
しかし、地方は都心と比べてイベントの開催対象となる確率は低く、人材の絶対数が少ない関係で次々と新しい人と出会える機会になるとは言い難い状態です。
イベント参加の際には都心に出て交流を深める努力も必要でしょう。
都心の流行と同じ速度では走れない
少し都心を離れると、最新の家電製品や業務効率デバイスの普及はかなり遅れる傾向にあります。
PCやモバイル端末といった仕事に直結する可能性のあるデバイスですら数ヶ月遅れは珍しくありません。
スマートフォンの普及やSNSの発展で情報面においては十分な速度で取得できますが、最新のハードウェアに触れる速度はどうしても遅くなってしまうでしょう。
デメリットは情報収集で回避できる
地方での起業にはデメリットという側面も少なくはありませんが、多くの場合は「事前の情報収集」で回避する事ができます。
こういったデメリットをしっかりと洗い出して事業計画を立てる事が、地方での起業を成功に導くのではないでしょうか。